PAPYRUSさん
すっかり秋めいてきました。
あっという間に年末になるかと思うと恐ろしい限りです。
慌てず行きましょう←
さて、今年も八ヶ岳の麓の文具店PAPYRUSさんのカレンダー(3種)が届きました。
PAPYRUSさんは一冊の古書に残された美しい図版を元にカレンダーを毎年作成されています。
以下PAPYRUSさんより
説明文カードを除くカレンダー本体、ノート、帯、箱の全ての印刷部分の版を、PAPYRUSの工房にて手彫で作成し、厳選した紙に一枚ずつ丁寧に刷り、完成させています。
日付部分はブロックを組み合わせた活版を工房で独自に作成し、月ごとにそれを組み替え、図柄部分とは別に刷っています。
手彫りの版の魅力と味わいをみなさんと共有できれば幸せです。
『Cosmographia』
船に乗って16世紀のヨーロッパの人々と世界を旅しましょう。
本作品は1544年にドイツ人のSebastian Munsterによって著された"Cosmographia"において描かれた世界の都市の鳥瞰図を、カレンダーとして編集し手彫りの版で再現したものです。
宇宙誌と名付けられたこの本は、世界の風俗、歴史、自然、地図などを地域別にまとめた地理書です。
現在も残る都市の建物や、スペイン人に滅ぼされて間もない新大陸のクスコやテノチティトランの街並などが膨大な量の木版で描かれおり、当時のヨーロッパ社会で知られていた世界の姿を生き生きと伝えています。
ヨーロッパから離れるほど記述は怪奇性を帯びてゆき、怪物や奇妙な姿の人間などと共に不可思議な文化が語られるようになっていきます。
最も遠い日本は一つの島国として描かれています。
『De Historia Stirpium』
本作品は、レオンハルト・フックスが1542年に著した『植物誌』の木版画を、手彫りの版で再現し、カレンダーとして編集したものです。
ルネサンス期に薬草学の刷新をはかり書かれた本書には、この本のために雇われた三人の芸術家が生み出した500点超の木版画が掲載されています。
これらの美しく精細な植物画は、当時の書籍に多く見られる他の書籍からの転写や、想像で補われた図画ではなく、全て実際の植物を新たに模写し作成されたものです。
その際、モデルにした植物にのみ見られる特徴は排除し、一般的に参照できる姿になるよう彼らは努め、また、図版が制作工程の中で勝手に改変されないようにするなど、自然のありのままの姿を正確に描写することに大きなこだわりを持ってこれらの図版は作成されています。
その姿勢は今では当たり前のことのように感じられることかもしれませんが、それは、神話と占星術の世界から”科学”へと踏み出した彼らの仕事の延長線上に現代の私達が立っていることを意味しています。
彼らの描いた植物画は、後の植物画家の道標となりました。
100以上の植物がこの本で初めて紹介され、そこには、タバコ、トウモロコシ、マリーゴールドなどが含まれます。
『和漢三才圖會』
この本は1712年に木版で印刷された日本初の絵付き百科事典です。
明の王圻による『三才圖會』に倣い医師の寺島良安が編纂したこの本は、天、地、人の万物すなわち『三才』を、天文、人倫、獣類など105巻に分け図入りで説明したものです。
特に東洋医学に関する記述は詳細かつ正確で、実用書としても重宝されました。
素朴で情緒ある木版画は江戸時代の生活風俗を現代の私達にありありと伝えてくれます。
大政奉還の年に生まれた博物学者南方熊楠はこの書の全編を五年かけて筆写したと伝えられています。
◉新しい入荷品◉
⚫︎P.W. NIB BOX
つけペンのペン先保管用ボックスです。防虫性や調湿性に優れた無垢の桐製ですので、ペン先に限らず大切な小物を保管するのにも適しています。手彫りの版が押されています。
※ペン先は付属していません。
SIZE : 49mm×58mm×20mm
⚫︎『ポストカード』全6種
以前作成し今は眠ったままとなってしまっていた手彫りの版を使い、ポストカードとしてリメイクしました。
400年前から続く伝統的な製法に則って作られたスペインのコットン紙に、一枚一枚刷っ ています。
※手刷りのため、1点1点表情は異なります。
ゆっくりとした時間を。
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