思い



遅くなりましたが、雪が残る足元の悪い中1月7日の藪本寛之氏の器販売へお越しくださった皆様、誠にありがとうございました。また6名様ずつの入場制限にご協力いただきありがとうございます。

当日は開店前からたくさんの方(25名様以上はいたと思われます)にお並びいただき、改めて多くの方々が藪本氏の器を楽しみにされていたのだと、我々も気を引き締めてお店を開けました。そしてせっかくお並びいただきましたのに購入できなかった皆様、大変申し訳ございませんでした! この場を借りて御礼とお詫び申し上げます。

今回は事前にお知らせした通り器販売はおひとり様3点まで、という購入制限を設けていました。藪本氏の器を楽しみにしていた、できるだけ多くの方に入手していただければと思っての制限でした。今回以下のような事態が発生したため、今後は購入数制限の他、開店時間以外の時間帯に入場抽選を行うなど違う方法で販売を考えています。

開店の2時間以上前より60代以上と思われる男女6名様のグループが並んでいました。彼らはほぼ日本語が話せない外国籍の方達です。

その6名様はスマホの画面でLINEで送られてきた赤丸のついた器写真を確認しながら、各3個ずつ計18個のマグを購入されていきました。取り外した値札も全て写真に収め、お会計は6人分18個全て一緒です。そしてこの近くに配送できるところはあるか? と質問してきました。異常な買い方でした。きっと誰かからの指示だったのでしょう。

藪本氏の器はネット上で藪本氏の値付けより4倍、5倍物によっては10倍と高値で取引されています。彼らがどういう目的で購入したかはわかりませんが、個人使用とは思えません。

また、上記の方々とは別ですが当店で入手した器を転売のため出品落札されていたとの報告を受けました。(何故断言出来るのかと言いますと、薮本氏ご本人から鉄粉や高台の作りにより当店に入荷したもの、とのことです)

転売は違法ではありません。が、作家さんやその作品を楽しみにしていらっしゃるお客様の気持ちを考えると気持ちのいいものではありません。その作品が好きでも、欲しくても、買えない方が各地にたくさんいるわけです。

我々も2年近く楽しみに待っていた納品、販売だったのです。

本当に心待ちにしていた方達の手に渡ってもらいたい。

ネットで高く取引されている器をなぜその価格設定で本人が売っていないのか。

器を手に取り喜んでくれる人々の顔を思い描き、日々作陶する作家の気持ちも考えてもらいたい、そう思うわけです。



       星星峡 店主