百年待つてゐて下さい

先日早稲田に行った際途中で立ち寄った漱石山房記念館(新宿区早稲田南町7)で心惹かれ購入したメモ帳 

活版な上に夢十夜…

『百年待つてゐて下さい』と一枚一枚メモ帳に…

買うでしょう←

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夏目漱石の『夢十夜』から引用した言葉を大正6年創業、新宿区地域文化財の佐々木活字店による活字組版で印刷

表紙には以下の文章を初版本に近い、旧字旧仮名遣い総ルビで印刷

すると石の下から斜に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。

見る間に長くなって丁度自分の胸のあたりまで来て留まった。

と思うと、すらりと揺ゆらぐ茎の頂に、心持首を傾けていた細長い一輪の蕾が、ふっくらと弁を開いた。

真白な百合ゆりが鼻の先で骨に徹えるほど匂った。

そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。

自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁に接吻した。

自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。

「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。

夏目漱石

 「夢十夜」 第一夜 

明治四十一年