郵便配達夫 ジュヴァルの理想宮




オートリーブ


フランス南東部ドローム県にある人口千五百の小さな村。

この村に一介の郵便配達夫だったフェルディナン・シュヴァルが
三十三年間かけて建てた理想宮があります。



シュヴァルは一八六七年から二九年間この地域の郵便配達を勤めました。



まだ車も自転車もなく
彼は毎日起伏の激しい退屈な田舎道を
ひたすら配達の為歩き続けました。



元々空想癖の強いシュヴァルは退屈な毎日の中、
頭の中で理想の宮殿を建てては消していました。



郵便配達を始めて十二年経ち
若き日の夢が忘却の淵に沈みはじめていた四三歳の或る日
シュヴァルは配達途中に石につまづいて転びそうになりました。



その後埋もれていた石を掘り出してみて、
その不思議な形状に魅せられてしまいました。



やがて彼は同種の石が受け持ち地区のあちらこちらに落ちているのに気づきます。



オートリーブの周辺は太古海底で地層が古く奇岩怪石に富む場所だったのです。



それから仕事が終わると夜な夜な手押し車を押し、
昼間に目をつけておいた石をとりに行きました。



果ての見えない彼の石探しが始まりました。





郵便配達夫シュヴァルの理想宮

岡谷 公ニ 作品社



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いまとなっては、かなりの昔このシュヴァル氏のことを知り
いつか本物の彼の宮殿を見てみたいと思いながらも月日は流れ(`-`)



そんな彼の映画が昨年末フランスで作られ、
今年の冬日本でも上映予定とのこと。



それに先がけフランス映画祭2019にて、
6/23の日だけみなとみらいで上映されるそうです。



6/23日曜日は行けないけれど日本で上映されたら絶対行きたい!



興味のある方は当店の本棚にも彼の本が置いてありますので是非ご覧くださいませ🎶